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横浜市鶴見区東寺尾(プロローグ)

 仕事も終わり、1杯飲んで帰ろうとするが、着信があったようで携帯が点滅していた。その日は業者まわりをしていたため、携帯はマナーモードにしてカバンの中入れっぱなしだった。いったいいつ頃電話があったのか?嫌な予感がした。

 着信はは何件かあったが、その中にカトウという懐かしい名前の着信がいくつも入っていた。それは、ちょうど1年ほど前に、自宅マンションを任意売却された方で、残った債務の相談かなと考えながらボタンを押していた。

電話には1コールで明るい声が聞こえてきた。
「その節はありがとうございます。忙しいところ申し訳ありません」
住宅ローンを滞納しているときからそうだったのだが、相変わらずの陽気な声に不安は消えうせてしまっていた。良い意味でタフであり”家がなくなったからってこれで終わりじゃないですからね”というのが彼の持論であった。
そんな彼からの相談は、自分のことではなく会社の同僚のことでした。


・物件所在地 : 横浜市鶴見区東寺尾
・お名前   : 佐々木さま(主人、妻、子2人)
・金融機関  : 住宅金融支援機構、年金住宅融資、オリコ


現在住宅ローンを5か月も滞納しており、消費者金融にも数百万円借金があるとのこと。 自己破産という言葉が頭をよぎるが、まずは会ってみて話を聞くしかなさそうです。

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佐々木氏と面談

今日は佐々木氏との面談。

 カトウ氏は急用のため来れなくなってしまったので、佐々木氏と差しで面談になった。 カトウ氏とは正反対で気弱でおとなしそうなタイプであり、放っておけないという母性本能をくすぐるタイプに見えた。 しかし残念ながら、そんなことを気にして「大変ですね~」なんて慰めるタイプではない私は、ズカズカと聞きにくい質問をぶつけて状況を細かく確認することにした。

 問題が何点かあったが、その最たるものは保証人がいたことだ。しかも、その保証人が妻と、妻の父だったため、それぞれに会って話をすることになるだろう。 不動産の売却は、連帯保証人の同意がなくても出来るが、残った債務の支払い方法が明確にならないのに、抵当権を抹消してくれるような債権者はいない。 つまり、不動産を売却しても債務が残る可能性が高い今回のケースは、事前に状況を理解してもらうことが必要である。

 任意売却をするには債権者だけでなく、こういった利害関係人をしっかりと掌握していないと思わぬどんでん返し喰らう事になる。 実際に私も過去にそういった経験を幾度となく味わされ、苦い思いをしているので、販売を開始する前にできる限りの調査を徹底していた。

 媒介契約を締結してこの日の話は終わったのだが、最後に義父の住まいが宮城県ということを伝えられ、なんとか電話で話して理解してくれないかなぁという安直な思惑が頭をよぎったのであった。


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夜逃げ?

 相談を頂いて1ヶ月が経つが、携帯に着信をいれても、メールを送っても音沙汰なく時間だけが過ぎて行った。 不動産屋にとって、売却依頼をされるということは名誉なことであるが、こんな形で拒絶されることもしばしばあり、そんな時はいつも放っておくことにしていた。 買い替え、相続などならば別の話だが、本来売りたくない自宅を手放すことになるので、こちらから執拗に営業をかけて任意売却させてしまえば誤解を招くこともある。 あの不動産屋に家を奪われた! 逆恨みに近い話であるが、逃げる者は追わないようにしている。

 しかし、不思議なもので、追われないことで不安になるのか?他の解決策が見つからなかったのか? 時間が過ぎると、ほとんどの方が戻ってくるのである。 実際、佐々木氏も3日間連絡がなくなった段階で

「売りたくない気持ちもあると思います。
心の整理がつきましたらご連絡下さい。
それまで、こちらの手続きも保留にしておきます。」

手紙を送っていたが、その1ヶ月後、電話ではなく突然来店された。
元々、痩せていた佐々木氏だが、たった1ヶ月で人はこんなに変わるのか?と思うくらいやつれ、悲壮感を漂わせていた。 私は、いったい何があったんですか?という言葉を飲み込み、ただその様子をだまって伺っていた。 沈黙に耐えられなくなった佐々木氏から

「連絡しなくてすいません。 実は離婚することになってしまったんです」
自宅を手放す、家族と別れる、衝撃的な事件が同時に起こり、思考回路が止まってしまったようだ。 会社にも出社せず、自宅にも帰らず考え続け、やはりこのままではイケないと思い、会いにきたのであった。

 本気で、この状況を解決したいという思いが伝わってきたので、
「いまここで義父に電話して、事情を説明してください」

受話器を渡すと、ギョッとした目で、{いま電話するんですか?} 無言の抵抗があったが、そのまま受話器を差し出し続けると、諦めて手帳を開きはじめた。

 義父は娘からある程度の事情を聞いていたので、理解を示してくれ、宮城に行って説明しなくても良さそうな様子だった。 しかし、佐々木氏は何とか解決したいと思い戻ってきたので、今ここでしっかりと区切りをつける必要がある。 義父に会って話すことが、男として筋を通すことになり、再スタートの第一歩になるのではないかと考え、私と佐々木氏で、宮城に説明しに行くアポイントを取ってもらうことにした。


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プロフィール

板垣タケシ

author : 板垣タケシ
宅地建物取引主任者/FP/住宅ローンアドバイザー

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